「これまでは大会場のコンサートでは、各スポーツ紙の『ジャニーズ担当』記者、略して『J担』だけが囲み取材を行い、その後、公演前には食事をふるまわれるのが通例でした。ところが、囲み取材もなくなり、今や出ても水やお茶のようです。その代わりと言えるかどうかが微妙ですが、終演後、取材に来たマスコミや関係者をタレントたちがお見送りするのが恒例になったそうです」(テレビ局関係者)
昨年に旧ジャニーズの創業者・故ジャニー喜多川氏の性加害問題が報じられて大騒動になる前には、各スポーツ紙の『J担』への〝優遇〟はかなりのものだったようだ。
「旧ジャニーズが発表する重要な情報はJ担だけを集めてレクチャーしたり、誕生日には担当の家にプレゼントが届いたり、所属タレントのコンサートチケットを優先的に取ってもらったり。スポーツ紙だけではありません。昨年11月にTBSが旧ジャニーズ事務所との関係について検証した番組の中で明らかにした’14年9月の『嵐』のハワイツアーに関連しての〝接待旅行〟も話題になりました。
自分も一度、担当記者の代わりに取材に行かされて、ジャニーさんと会食したことがありました。とても高そうな寿司を食べた気がします。ジャニーさんが来る取材現場では、ジャニーさんの囲み取材をして会食という流れだったようですね」(元スポーツ紙記者)
ところが、昨年10月、旧ジャニーズがSMILE-UP.に社名変更し、新体制が発足すると、ガラリとJ担への対応が変わったようだ。
3月16日には『Aぇ! group』が、京セラドーム大阪で行われたコンサートにて5月15日にユニバーサル ミュージックからシングル『《A》BEGINNING』をリリースしCDデビューすることを発表。その模様も各スポーツ紙が大々的に報じていたが、舞台裏ではこんなことが起きていたという。
「以前は旧ジャニーズの出張といえば、交通費・宿泊費は旧ジャニーズ持ちのいわゆる〝アゴ足〟が当たり前だったようです。ところが、その日の大阪出張は出張にかかる費用は各社の自腹でした。『そこまでしてやって、わざわざ記事を大きくする必要があるのか』という声もあがっていましたが、やっぱり何か勘違いしていますよね」(芸能記者)
結婚発表の際に報道各社にギフトを贈るなど、これまでと変わっていない部分もある。だが、メディアの側が戸惑ってしまうほどに、着実に新体制での〝改革〟は進んでいるようだ。
「今年1月には『週刊文春』(文藝春秋)が、日本テレビの情報番組のデスクがファクスを送って優先的に旧ジャニーズにチケットを取ってもらっていたことを報じました。これまではメディア関係者に対してはチケットの〝優遇〟も当たり前のように行われていましたが、今後はそれもなくなるのでは、と囁かれています」(先のテレビ局関係者)
これはようやく事務所と各スポーツ紙を筆頭にしたメディアの関係が〝対等〟に近づき始めているということなのだろう。昨年の性加害問題で英・BBCのモビーン・アザー記者から《何十年もこの問題を無視し続けてきた》と批判されたメディアの側のほうも、意識を新たにしなければならないようだ。
マスコミをお見送りする必要もないでしょ
勘違いしてるのはマスコミの方